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GREENS around THE CAMPUS #01 | グリーンが開く、新しい街の可能性

THE CAMPUSの敷地と街の間には、お互いを隔てる壁がありません。その代わりに、建物を包むように生い茂る草木がやわらかな中間領域をつくっています。私たちは、この施設をつくる際に内装や家具と同じくらい自然との共生にこだわりました。

コクヨがオフィスに自然環境を取り込むことに意識的になったのは10年以上前に遡ります。「エコライブオフィス品川」の名のもと、屋外にもワークスペースを設けて陽の動きや季節を感じながら働ける環境に自分たちの身を置きました。その時に気づいたのは、水盤に遊びに来るさまざまな鳥の姿。この鳥たちはどこから来るのだろう?そんな微笑ましい驚きとともに、都市の中にも確かに息づく自然の有り様を感じ取ったものです。

GREENS around THE CAMPUS #01 | グリーンが開く、新しい街の可能性|THE CAMPUS|ようこそ、みんなのワーク&ライフ開放区へ

それから時が経ち、THE CAMPUSのランドスケープデザインを考える際にも「豊かなグリーン」は外せない大切なキーワードとなりました。この連載コラム「GREENS around THE CAMPUS」では、これからの街に開かれた共有地を目指す場において、私たちがグリーンに込めた想いをお伝えしていきます。

日々変化し、新しい発見や学びをもたらす樹々

PARKには約230種に及ぶ多種多様な樹種があり、都市での日常生活ではなかなか見ることのない珍しい品種も含まれています。その中心でひときわ目を引く11メートルの高さを誇るのが「シマトネリコ」。はるばる鹿児島県指宿からやってきました。他にもスペインからやってきた古木のオリーブをはじめ、台湾やオーストラリア、果ては南アフリカなど海外からの植樹も多数。それぞれに花や実をつけながら、この街で過ごす私たちに季節の移り変わりを教えてくれます。中にはEDIBLE=食べられる植物もあり、人々の生活とより身近に関わるグリーンのありかたを試す場にもなっています。

GREENS around THE CAMPUS #01 | グリーンが開く、新しい街の可能性|THE CAMPUS|ようこそ、みんなのワーク&ライフ開放区へ

植物が紡ぐストリートとの連続性

THE CAMPUSの周辺には街路樹や公園など、この施設ができるよりも前から街を彩る木々が立ち並んでいますが、それらと高さを揃えるように樹木を配置しているのもこの環境の特徴です。イメージは「街から続く緑の大屋根」。大きく葉を広げる樹木を点在させ、敷地全体に木漏れ日を落とすように緑が茂ります。PARK手前西側の通り沿いには郷愁を誘うような稲穂の群生も。そこから大屋根に沿うように散策していけば、きっと新しい自然との出逢いが楽しめることでしょう。

GREENS around THE CAMPUS #01 | グリーンが開く、新しい街の可能性|THE CAMPUS|ようこそ、みんなのワーク&ライフ開放区へ

グリーンが更新する「心地よいオフィス街」

予期せぬ変化を強いられる時代を迎えた今、わざわざ行きたくなる「本能的に気持ちいい」外部空間の重要性をあらためて考える必要があると私たちは考えます。思わずとどまりたくなるような木陰や、木立の間を通り抜ける心地よい風、誘うような光の反射など、自然の揺らぎを大切に作り上げたこの場所から、都市の居心地のありかたをアップデートしてみたい。硬直しがちなオフィス街を有機的な居場所へと溶かしていくはじまりがTHE CAMPUSであれたら。そんな想いを感じ取っていただけたら嬉しいです。